虚空機関

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概要

虚空機関 (ヴォイド) とは、連合宇宙軍統合作戦本部局研究部の通称であり、全ての軍事的技術についての研究機関である。
特にフォトン兵器については数百年のノウハウが蓄積されており、さらに民間企業の全てのフォトン製品についての監督権を持つ。


歴史

光暦元年。フォトン粒子の工学転用による産業革命の時流にのって様々な研究機関が設立される。
連合軍内においても兵器研究を行っていた研究部にてフォトンを取り扱うようになった。
しかしこの時点では数多く生まれた研究所のひとつに過ぎず、現在のような強大な権力を持つ組織ではなかった。
そして光暦600年頃のダーカーとの遭遇により、世の中の経済流通はがらりと変わる。

その年、オラクル船団の銀河探査において、とある巨大ガス惑星が発見された。
この星は重水素熱核融合が一般恒星の1%未満であり惑星以上恒星未満の状態である。
この惑星に送り込む探査プローブの機種採用について、連合政府は各企業にコンペティションを開催する。
受注できる企業はただの一社。これは巨大利権の奪い合いである。
時の大企業であるプラネタ重工 (後の惑星開発公社) はこの開発競争に参加せず、各企業が熾烈な争いをしているなか、
連合政府の各省を足しげく通う。宇宙開発省、科学技術省、厚生労働省、銀河労働者局、技術総括審議会。
技術官僚 (テクノクラート) と呼ばれる、権威あるポストを占める要人に対し、以下のような提案を持ちかける。
曰く、競争は技術力を促進させ莫大な利益を生むが、それが一極に集中するのは大変な事である。
この富はどの省庁、部局で管理運営をすべきと考えるか?
ダーカー討伐の任は軍の管轄であり、政府予算の50%以上が割り振られている。惑星開発における文官の権限は削減の一途である。
アークスという組織はフォトン特質に特化したものたちの非正規雇用軍人である。
このアークス組織を軍から半独立させ、これに注力させる技術の全ては政府主導で行うべきである。
重水素核融合の探査は足がかりに過ぎない。これをきっかけに、企業、軍、経済の関係性を再構築すべきだ。
マスコミ等を通じ、アークスにかかる技術はその安全性において至高を目指すべきという風潮を作り出した。
これに呼応し、各省庁は、各専門機関による諮問機構「虚空機関」の設立を議会で承認させ、
自らの息のかかった小組織を次々と発足させた。

すべての技術はアークスに集約される。その大義名分の名の下に、経済は一変する。
各開発企業は「虚空機関」のお墨付きをえられなければ製品を政府に納品できなくなってしまったのだ。
研究成果のパテントは企業に残るも、複数研究所の審査を受けるには莫大な費用がかかり、
政治的圧力からその富の大半は吸い上げられることとなった。


総長

虚空機関の最後の総長はルーサーである。また最後のフォトナーでもある。フォトナーとはフォトン特質に特に優れ、
全てのフォトン工学機器についての操作資格を持つ、オラクル船団の中でも最上級の技術者資格保持者である。
歴代の総長や、虚空機関の上位管理者達が、どのような手段、技術で、フォトン研究を行ってきたか、これは船団最大の機密であり、
政府総督府、内閣府、賢者委員、などの上位数名のみがその実態を知るのみであった。
そのルーサーがなぜ、ダークファルスと変化したのか、六芒均衡の絶対令 (アヴィス) の発動を要請できたのか、
それらは今後の調査によって明らかになるであろう。

また彼の言う「全知」とは具体的にどのようなレベルを指すのか。これについても議論は百出してやまない。
ラプラスの悪魔や、基礎不確定性原理、因果演算 (マターコンピューティング) については様々な学者によって議論がなされている。
アカシックゲノムと呼ばれるフォトン粒子内に検出される波動記録は、全時空の記憶が内包されているとされる。
これらの解析技術はまだ研究段階にすぎず、基礎理論は恒星間航行のルート検出や、惑星探査の年代解析に一部応用はされているものの、
ルーサーの目指す最終的な開発対象は「物理法則の書き換え技術 (フィジカルキャンセリング) 」ではなかったかとの予測がある。
ダークファルス化したルーサーとは、まともな会話接触ができなくなっており、一部、彼の発言から上記の結論に至っている。
ルーサーの台詞は以下のように記録されている。

「関数、置換」
「僕は演算中だ、始末しろ」
「よくやった、用済みだ」
「試算完了、プレゼントだ」
「波動方程式、展開」
「調和波動子、消失自壊」
「僕は原初、僕は終末。万事はここより始まりて、これにて終わる」
「アークスごときが、抵抗するな」
「ビッグクランチプロジェクト」

「あまり煩わせるな、面倒だ」
「さて、片付けの時間だな」
「見苦しい!」
「フッ」
「深淵と崩壊の先に、全知へと至る道がある!我が名はルーサー、全知そのものだ!」、
「今こそ、全知を掴む時!我が名はルーサー、全知そのものだ!」
「解は無駄に収束しているぞ!」
「見え透いた回答だな!」
「演算の必要もない!」
「壊れた玩具には用はない!」
「底は知れている」
「僕の思うがままに、解を求めん。」
「全知は僕だ!僕の導き出した解に間違いはない!」
「無意味だ無駄だ愚かしい、滅びろ消えろ宇宙のゴミが!」

「超光速プロセッサフルドライブ。因果演算効率上昇。周辺次元層にアクセス」
「流体素子コンピュータ、論理回路形成。フォトンパルス、燃焼開始」
「エーテル電子、電解放出。ポテンシャル障壁面突破。ディストーションフィールド展開」
「バレットクラスター衝撃波面重力レンズ、焦点温度2億度を観測。ダークマター、3次元的空間分布再配置完了」
「ボソン粒子、ループ量子制御誤差修正。フェルミオンスタビライザー始動」
「論理弁常温ルーティング脈基部置換、搬送波拍動開始。周期正常」
「次元分割多重化装置(DDM)、メインプラントと接続。プレグナントコアより全フォトン加速器同期開始」


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  • 最終更新:2014-06-06 10:22:31

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